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2011-09-24


美留和は季節の移り変わりを音で感じる。
春は雪解けの水が沢を勢いよく流れる音が。
夏は草刈り機の音。
秋は薪割りの音が、今も聞こえてくる。
冬は何も聞こえてこない、しーんとしている。

山には初雪の便りが届いた。窓から見える白樺の葉も半分は落ちた。
雪に覆われるのを抗うかのように、真っ赤に燃える紅葉は、きっとあと2週間ほどでピークになるだろう。

2011-09-15


網走まで鮭釣りに出かけてきた。
前日の夜は明日の晩はイクラ丼と決めて、久しぶりに海釣り道具を引っ張り出し、ついでにまな板と包丁までも積んで用意は完璧。
網走までは車で1時間、途中スーパーによって餌にするサンマを買う。ついでにイクラの値段もチェックしておく。普段は餌など買わないのでサンマ一匹88円(フレッシュ)の値札を見て釣れる気がいっそう高まる。
そして網走の港に到着。岸壁には平日なのに車を止める場所を探すのに大変なほどのにぎわい。やっと車を止めて、両脇の達人に見える二人にごあいさつ。
さっそく大きなウキとタコベイト(タコに似せたゴム)に餌のさんまの切り身を付けて足元に投入。すると右から鮭が足元の餌めがけて泳いでくるのが見える!心臓がバクバク!おぉー入れ食いか!思ったらまさかの素通り。ちくしょー。
気を取り直して仕切り直し。しばらくすると左隣の方にヒット、しかしラインを切られ姿を見ることができなかった。こんどは右隣の方にヒット、こちらはかかりが浅く痛恨のバラし。
順番からして次は私の番!がぜんやる気が出てくる。そんな時にかぎってラインが絡まるもんだ。現場を離れてラインをほどいていると、次にヒットしたのは左隣の達人。釣り上げた鮭は見事な銀鱗の雌鮭。ぷっくりしたお腹にはたっぷりのイクラが詰まっていそうだった。
結局私の竿はしなること無く、晩の食事は残ったサンマに変わった。

2011-09-11


たまにお客様に趣味で宿をやっているのですか?と聞かれる時がある。
いえいえ宿業が生業。100パーセント以上の力を出すつもりでやっています!
と答える。
昨日もオープン当初からのお客様で、今回は指折り数えてみると5年ぶり、
久しぶりのお客様に夕食後、冬休み長いけど、ヤル気あるんですか?と聞かれ、
もちろん、ありますよー!と答えた。
朝、お帰り際に私がヤル気見せますからね!と言うと、遅すぎー!とつっこまれ、
だけどあんまり雑誌とかに出さないでね!と一言。
大切にされている気持ちが伝わってくる。
宿業を始めて丸9年、趣味でこの仕事はできない、ありえないというのが実感だが、
この仕事が趣味です、と言えるくらい宿業と共鳴し、融合する、そんな境地に至るには
まだ修行は続く。
そういう意味で、趣味で宿やってます、とおおらかにのびやかに言ってみたい。

2011-09-05


美留和の牧草地に鶴を見ると思い出す。
引っ越してきたころ、釣りをしながら川の中をジャブジャブと進んでいくと前方に人影が、それも割烹着を着て頭に赤いバンダナを巻いている。こんな奥地で何をやっているのだろう、しかも割烹着を着ているということは女性だろうし、不気味だ。緊張しながら距離を縮めていくと・・・なんと鶴!
それ以上近づかないでそのまま帰ってきたのだが、『鶴の恩返し』という昔話は、きっと作者が釣りをたしなむ方だったに違いない!と、あらぬ方向に想像を膨らませ帰ってきた。
そのことを釣り仲間に話すと話が違う方向に広がり、その方は鶴の頭を撫でたことがあるとの事、(なんともいえない感触らしい)。あと喉が美味いとか頭が旨いらしいとか・・・これ以上は書けないが、やっぱり昔は食べられていたんだな。

2011-09-01


摩周湖まで自転車で登ってみた。
交通量が少ない朝早くを狙って行動する。準備は汗拭き用のタオルを首に巻いただけ。(あとで水を用意すればよかったと後悔した)遠くに見える摩周の山をめざし出発。宿から川湯まではなだらかな上り坂が続きちょうどよい準備運動になる。いよいよ国道を右に曲がり山頂までの長い上り坂が始まった。原生林を切り開いたアスファルトの道は、森の奥から朝靄の白いひんやりとした空気が私を呑み込むように押し寄せてき、頂上に早く到着したいと焦る気持ちを落ち着かせる。私の予想では頂上まで90分。まず、身体に90分動かし続ければ大丈夫だ!と命令をした。それからあきらめない、自転車を止めない!ことを意識した。あとは坂の先を睨んでペダルを踏んだ。道路わきの森には自転車でないと気づけなかった沢山の大木を目にしながらシャカシャカと漕ぎまくった。途中の見晴らしの良い路肩では関西ナンバーのバイクに腰を掛けて本を(おそらく文庫本だった)読んでいる青年がいた。良い時間の使い方をしているな、と感心しながら先を目指す。あと少しで頂上だ、というところで前方からスピードを上げてチャリダーが下りてきた。一瞬0.5秒の擦れ違いだったがどちらかともなく手を上げた。これは朝の「おはよー」の挨拶ではなく自転車ならではの(お疲れ様、あと少し、気を付けて、頑張って)が詰まる0.5秒。一段と力がわいた瞬間だった。そしてやっと展望台に到着!久しぶりの朝の摩周湖の湖面には大空の雲の細やかな動きまでもがくっきりと映り、恐ろしく静かだった。

2011-08-28


ある日の出来事。
ご近所の畑には鹿除けネットが張ってある。それはいつもの光景だがその日は違った。ネットに角を絡ませた鹿が、ポールを2~3本引き抜き二本脚で立ち上がってはドスン、ドスンと繰り返し転んでいる。しばらく見ていたら鹿が私に気づき一段とドッスンバッタンと激しくなってきたので、畑の持ち主宅に朝のご挨拶と報告をすませる。さてどうしましょうか?畑の持ち主は女性。しかたない、私は鹿に近づき二本の角を両手で抑えてみることに・・・。凄い力で手を振りほどこうとする。角をつかんでしまったのはよいが、両手がふさがっているのでネットを外してやることも出来ない。だんだん手の中の角がとてつもない凶器に見えてきて、どんどん恐怖心が膨らんでくる。落ち着いて考えると、なんで角を持っちゃったんだろうと悲しくなったが、もう遅い。やるかやられるかの真剣勝負の始まりだ。鹿を横に倒そうとするが鹿の力は私の数倍!おまけに前足キックも出してくる。もうだめだ!とよぎった時、鹿が一瞬後ずさり!手の中の角がスルリと抜け出たはずみに逃げるようにその場を離れた。これ以上近寄るのは危険と判断した私たちはネットを切ることにした。
鹿はネットとポール2本を角にひっかけたまま藪の中に逃げ込んだ。しかし今度は藪にネットがひっかかり身動きできなくなってしまった。これでは衰弱するのを待つだけなので、かわいそうだが猟友会の方にきてもらうしかない。
10分ほどで到着。私が説明している間に猟友会の方は銃を用意した。そしてこの先に民家があるかないかの確認をした。それから藪のなかに案内すると、ヤツは火薬の臭いが分かったのか、ネットだけを残して消えていた。

2011-08-23


たまに美幌まで買い出しに出かける。宿からは美幌峠を越えて行くのだが、この美幌峠を境に空気の質感が変わる。峠を降りると一面に畑が広がる。美幌の町は弟子屈に比べ牧草地より畑が多い。私が向かうのは農家の方がやっている直売所。ここにはいろんな野菜があって創作意欲がくすぐられる。アスパラの季節などはグリーン、ホワイト、パープルと色彩りの種が揃っていて見ているだけでもウキウキしてくる。
先日は真っ黒な野菜があったので、これなんですか、と聞くと「黒インゲン」と教えてくれた。私は真っ黒な野菜がサラダになることを頭に浮かべ即購入。そして本番。「黒インゲン」に火を入れると、みるみる色褪せ、黒とも緑ともつかない迷彩服を武装したかのようなインゲンに変身してしまった・・・。しかし、一口食べてみると甘みがあってシャキシャキと美味しいこと。最初のイメージとはちょっと違うが美味なサラダが完成した。
さて、きょうはどんな野菜が並んでいるのか楽しみだ。

2011-08-20


今まで素通りされてきた弟子屈の道の駅がリニューアルされて一ヶ月。
昨日行ってみたら、車を止める場所がないほどの大盛況!他県ナンバーの車やバイクがたくさんあり、観光の町らしいにぎわいで、うれしくなる。
ところで、最近思うのだが、こちらに来たころに比べて自転車での旅人(チャリダー)の姿が少なくなっている。学生の数が減ってきているからなのか、それとも自転車の人気がなくなっているのか、残念だ。
もし、今の私がこのまま二十歳に戻れたら、自転車での北海道ツーリングを選ぶんだけどな。
しかし、今の私の密やかな目標は、千葉いや鹿児島まで自転車で帰省することである。この季節、朝日が昇る前の早朝、凛とした空気をきるように屈斜路湖沿いの40kmコースを日々の鍛練として積み重ねている。

2011-08-16


美留和は昨晩からまとまった雨が降っている。季節の変わり目を知らせるかのように、半そででは寒くなってきた。
窓から見える白樺の葉も、色が変わり始めている。
いよいよ新しい季節がやってくる。きっとこの雨が止んだら、美留和の森は昨日までと違う空気感と香りがするはずだ。
もう扇風機を片付けても大丈夫だろう。。。

2011-08-12


先日役場の人がやってきた。手には「弟子屈移住新聞」なるものをもっている。宿に置いていただけませんか?とのこと。快く承諾。読んでみると人口の減少が頭痛の種と書いてある。
美留和だけを見渡すと人口増えているんじゃないかと思っていたから、心配になる。
(今現在8.255人なのに年々減少傾向で毎年100人前後マイナスを続けているそうだ)
その他一箇所抜粋、「真夏の平均気温が15℃で年平均気温が5℃」フフフ・・・・。