2004-11-25
とうとう雪化粧・・・
すっかりと木々の葉っぱが落ち切り、一層寒々しい様子の風景に雪の気配が待ち遠しかったこの頃、今朝はとうとう雪化粧した風景が拡がっていた。昨日までの枯れ果てて刺々しかった景色にふんわり質感の白い雪が重なると柔らかさと温かみが加わり、「時」が形を変え、昨日までの「時」の流れに奥行きが合わさったような感じで再び流れ始めたように思えた。今の時季の美留和は特に「時」が現実の時計から開放されたように流れる。うれしくて散歩してみた。空気はきゅっと冷たく身もこころも引き締まるようで気持ちよかった。


2004-10-27
初雪と鶴の佇まい
オレンジや紅の装いを楽しむことをしないままいっせいに樹木の葉っぱたちが落ちた。去年観た目の裏側に眩しさが残る迫ってくるような艶やかさは無く、今年のそれは台風による潮風の塩害の影響か樹木から溢れる精気も少なく、まるで病気になっているかのような、荒廃した風景に変わりつつあった今朝は、うっすらと所在無さげに降りかけたかのような初雪の景色が拡がっていた。美留和の今の空は青く、地上は柔和で明るい光に輝き渡っているのに、優しく包んであげれるほどの雪もないまま、元気をなくした剥き出しの植物や木々たちの姿が余計に際立った。買出しの途中の道端に今年も丹頂鶴たちが飛来し始めていた。秋の深まりを待たず冬の気配に佇む丹頂鶴たちも哀しげな感じがした。晴れた空の下、花びらほどの薄片で舞う雪の中、私たちにはどうすることもできない自然の在り方に畏怖の念を抱いた。樹木や植物たちはどんな自然環境の変化にさえもただただ沈黙して融合している。いつ何が自分の身に起こっても、そっくりそのまま許容し沈黙したまま融合できるだろうか・・・再び畏怖の念に包まれた。


2004-10-18
紅葉と降霜の季節
ここ4~5日で見渡す景色の配色がぐーんと落ち着き、秋が深まった。それに合わせるかのように朝晩は氷点下になることもあり、「寒いね。」が挨拶の代わりになるようになった。今朝は露天風呂の足元にうっすらと氷が張っている部分もあり、庭は辺り一面霜に覆われた。まだ紅葉を見納めしてないのになあ・・・と、自然の時の流れに上手く追いつけず取り残されたような気持ちのまま、お客様の布団を冬掛けにしたり、露天の足元の滑り止めのマットを敷いたり、冬支度の一歩を踏み出した。春と夏の境目や夏と秋の境目は穏やかで季節が移り変わりつつある時の風に心地よく吹かれるのだが冬を介す前後の秋から冬へ、冬から春への移り変わりの時期はなぜか気持ちが置いて行かれる。なんでだろう・・・?一年のうちでも一番好きな雪景色の冬だから出し惜しみに似たような気持ちの働きがあるのかなあ・・・



