2004-07-23

季節の便り

桃とぶどうの季節の贈り物が届いた。本州で育った宿主が思い描く夏の果物たち。今の時季の本州の水と空気、においと音までもの懐かしい感じが身体の奥底からリアルな感覚として湧き上がってくるようだった。「そーだな、今ぶどうと桃の季節の真っ只中なんだよなあ。」と半ズボンとシャツ一枚のまるで夏休みの小学生のような格好で宿主がつぶやいた。カキ氷や冷やし素麺ばかりを好んで食べていた頃のことも思い出した。ここ2~3日美留和でも日中は30℃を超えるが、本州のそれとは不快度が断然違う。今のところ扇風機もクーラーも無し、でも、しっかり暑くて汗が滲み出てくる最も夏らしい日の昼下がり、優しくて甘くてかわいい色合いの桃とぶどうを眺め、香りを楽しませてもらっていることが、もの凄く贅沢に思えた。自然からの果物そのものの瑞々しさと新鮮さと味を身体の中にもこころにもたくさん頂いた。美味しいうちにお客様にもお召し上がり頂こうと、桃はフレッシュタルトに、ぶどうはフロマージュとカスタード三層の冷たいデザートに変身した。陽も翳り暑さも引いてひと段落する頃、冷たいデザートとともにする「夕涼み」が今日一番の楽しみの一つとなりそうだ。


2004-07-17

見えているもの、いないもの

木漏れ日でキラキラしている緑の早朝、散歩に出かけられたお客様が戻り着かれるなり「こんなに大きな蕗の葉っぱがありました!」と、ご一緒にお泊りだったご家族の方々も呼び寄せ見せて下さった。持たせてもらうと、蕗の葉を傘代わりにしているカエルのような気分になった。道端そこらじゅうに生えている蕗の葉っぱの道路に毎日出かけているのに、まさか実際の葉っぱがこんなに大きいなんて、お客様以上に驚いた。「こんなもんいっぱいそこらじゅうに、いや、もっと大きいのもありましたよ。」というお客様の言葉に、見ていながら観ていなかったことにはっ!とした。聞いていながら聴いてないこともあるかも・・・。知っていながら知覚してないかも・・・。何でもそうだろうが、経験や想像力を通じて本当によく観たとき、聴いたとき、知ったとき、こころのときめきや痛みや悲しみまでをも含めたありのままをそっくりそのまま受け容れることができるようになる気がする。物事はその時々の自分の目と空を飛ぶ鳥の目と地を這う虫の目で広く深く見つめたいな・・・と思った。

お客様(おばあちゃんとお母さん)と蕗、娘さんとお婿さんは2Fから撮影


2004-06-13

天窓掃除の醍醐味

昨晩のお客様が美留和の空に拡がるこぼれ落ちそうな星やぽっかりと浮かぶお月様をとても楽しみにお越し下さっていたということを聞いたばかりの宿主、今晩のお客様にもしっかり楽しんで頂こうとガラスクリーナーと雑巾を持ち、宿の屋根に登っていった。屋根の上から見渡せる今の四方の景色に圧倒されたのかなかなか降りてこなかった。是非この景色を見せたいからとデジカメを持って再び屋根に登って行った。自然に囲まれた美留和であることは分かっていたもののデジカメに収められた目線を変えた写真から、本当に手付かずの自然が残っている土地であることを再び思い知った。ついこの前まで葉っぱの緑色がひとつもなかった真っ白の冬景色が見事に変化していて自然の移り変わりが時の流れを作っているように思えた。濃い緑からのマイナスイオンたっぷりの空気と草刈りしたばかりの宿の庭の匂いの中「ハイジ(アルプスの少女ハイジ)のベッドはこんな匂いなんだろうなあ・・・」と珍しくおしゃべりになる宿主だった。

硫黄山・・・車で15分

ビラオスキー場

オブタテシケ山

摩周湖・・・車で15分