2004-04-15

カメラマン・・・?

美留和はあちらこちらで雪溶け水の軽やかな音が響くようになり、水の流れが作る沢の周りはたくさんのふきのとうの淡い黄緑で彩られている。周囲の山や畑はどんなだろう?とカメラとおにぎりを持って出かけてみた。屈斜路湖が見渡せる峠の残雪の中にポツンと立っている1本の木に惹かれたのか早速撮影を開始する宿主。湖にはまだ凍っている部分と溶け始めている部分とが重なり合って、湖面いっぱいに幾何学的な大きな模様が拡がっていた。眺めるものや場所は同じでも季節が移り変わる時の景色や、その景色の中に太陽や月や星が加わったり、おもしろい形の雲が加わったりするだけでも、毎回初めて出会ったかのような新鮮な風景にわくわくしてしまう。ここ道東には、全くの素人に、絵を描いてみたいと思わせたり、写真を撮ってみたいと思わせるような風景や景色が数え切れないくらいたくさんあると思う。峠を下り、初めての道路に車を走らせたことろで、好きだな・・・と思う畑と木と空が広がっていた。通りすがりの偶然の道端に、お気に入りの風景のある場所がまたひとつ増えた。


2004-04-07

えぞふくろう

まだ夜が明けきらない薄暗い朝方、宿主に揺り動かされて突然目が覚めた。「宿の大窓にふくろうがぶつかって倒れてる・・・」、夢の続きをみてるかのように、ねぼけた状態で外に目を凝らすと、ぴくりともせず倒れたままのふくろうらしきものがいた。「ホウ・・・ホウ」と文字通りの泣き声を間近に感じた宿主はカーテンの外をずっと眺めていたとのこと。しばらくしてバサバサと飛んでいくふくろうを確認したかと思いきや、大窓にぶつかる大きな音がしたと言う。砂糖水をあげてみようか・・・何かの生肉も近くに置いてみようか・・・など、あれこれ思案してみたが、近づくことで脅かして余計に体力を消耗させてもいけないからと、しばらくそっとそのまま見守った。30分くらいするとぴくぴくと時々身体が動いた。がんばれ!と思いながら引き続き見守った。夜が明けて辺りが明るくなる頃、身体を起こして、まず50cmくらいの雪の丘に飛び上り、こちらの方に振り返り、自分の具合と体調を確認するかのように、そのままじっと休んでいる様子だった。何かエネルギーに代わる餌をあげた方がいいのだろうか・・・と迷っていると宿の木に飛んで止まり、そして空に向かって飛び立っていった。


2004-03-27

なごり雪・・・

天気予報で網走沖に低気圧が停滞し、雪になるという予報に、一年の中でも美留和の冬景色が好きな宿主はなごり雪だな・・・と楽しみにしていたが、前日の晩から風が音を立てて強く吹きつけ、宿が揺れるように感じるほど。なごり雪はおろか、「なごり猛吹雪」となってしまった。次第にどんどん強まり、あっという間に真冬に逆戻り、再び辺り一面真っ白の雪景色となった。1月の大雪の時のように、また弟子屈がいつ陸の孤島になってもおかしくないような猛吹雪だったので、道路情報を気にしながら仕込みの合間に駐車場の除雪、露天風呂のお湯加減の微調整と足元の除雪に大忙しの宿主だった。弟子屈に続く道路がひとつ、ふたつと通行止めになっていく中、予約のお客様が決して無理されることのないよう、こちらから連絡させてもらうかどうか判断つきかねているうちに、お二組のお客様とも無事に到着され、ほっとした。明日になれば天気は回復するとの予報に、今シーズン最後の雪かきになるかも・・・と季節の変わり目の真っ只中にいることを思い、もう、すぐそこまで春うららかな季節がやってきていることを感じながら、除雪に精を出す宿主だった。