2004-01-09
雪見露天風呂から見上げる空
昨日の大雪でどこもかしこもすっぽりと雪に包まれた。お客様の足元の確保と湯加減の調節に露天風呂と厨房を何度も行き来する宿主。先日のお客様が作って下さったであろう、お地蔵さんのように並んでいた天然岩の上の小さな雪だるまたち、露天の周りに残っていたうさぎや鹿、キツネたちの足跡も全て姿形もなくなりすっかりと雪の中に埋もってしまった。外灯まで雪に埋もり、何だかまるでモンスターのような物体と化している。雪に囲まれた中から立ち上がるお湯の蒸気を浴び、天然温泉の暖かさがほくほくと身にもこころにも染み渡る季節に移り変わっていることをしみじみと感じた。お客様は雪見露天風呂から見上げる空に流れ星を見つけ、もう一度見たく見つけるまでついつい長湯してしまったとのこと。ふやけたカエルのようになりながら流れ星を待って何度かのぼせたことのある宿主は、そのことを聞いて自分のことのようにうれしがっていた。


2004-01-06
美留和の雪景色
宿の大窓からの夜の雪景色をささやかにほんの少しだけ飾ってみた。この季節-20℃になる美留和ではバケツに水を入れて一晩置くと次の朝頃、周りだけが筒のように凍りアイスキャンドルに丁度良い氷の入れ物が出来る。出来たアイスキャンドルを雪の穴の中に入れて下から灯の光を放ってみた。ゆらゆらと揺れる灯の光に反射しキラキラとした雪の世界が映し出されると、思わず外に出てみたくなった。さらさらと降るその雪が木の枝の細い部分までを包み込み、まるで音のない世界のようで、雪原を歩く時には音をさせないで静かに歩かなくてはいけないような気にさせられた。雪と灯が融合した景色の-20℃を肌で感じる世界は気持ち良かった。次第にこころだけはあたたまっていくように思えた。いつまでも眺めていたかったが手のひらに最後の温もりが残っているうちに、また足音を立てないよう静かに宿の中に戻った。



2004-01-03
お客様の作品
昨年より何度も足を運んで下さっているお客様の作品。手作りしてみました・・・とわざわざお持ち下さり、頂いたもの。箱を開けた途端に苺の甘い新鮮な香りがいっぱい漂い、しばらくうっとり。苺好きな宿主は実にうれしそう。お菓子は見ているだけでこころを弾ませてくれるような不思議な力を持つ。このままずっと飾ってとっておきたいくらい美しくかわいい作品を眺め、しばらくの間、幸せな気分を楽しませてもらった。消灯前、宿主から露天風呂に来るように呼ばれ行ってみると、天然岩の上で灯に照らされキラキラしている一羽のウサギがいた。こちらもお客様の作品。こういうささやかで何気ない遊びこころの感性とセンスに宿主はくーっ!と参ってしまう。消えないでこのままここで冬を越してもらいたいと思ってしまうほど愛嬌のあるウサギだった。


