2003-12-15
雪見トレッキング
氷点下10℃を下回る朝を迎えるようになった美留和だが、快晴で1℃くらいまで気温が上がったお昼前、簡単にお弁当をこしらえて和琴半島を雪見の散策しよう!と宿主に誘われた。屈斜路湖沿いから森の中に入ってまた湖沿いに出る2.4kmの散策コースは人と動物の足跡がまだらにあった。途中、秘湯らしき露天風呂を発見し、備え付けてあるロープをたどって湯気の立ち込める中偵察。また、しばらくすると不思議と雪のない場所が広がり、歩きやすくなったと思っていると急に振り返った宿主に耳を出してみるよう言われ、どうしたんだろう?と耳の上にかぶさった部分の帽子を折り曲げてみて、自分の耳を疑った。本州の特に夏から秋の夕暮れ時や夜の頃に聞いていた虫の声である。硫気口が多いこの場所は地熱が高く雪が積もらず、コケ類の食料に恵まれた環境で、1年を通してコオロギやバッタの仲間が生息しており、ここだけは真冬でも虫の鳴き声を聞くことが出来るそうだ。日常生活の範囲だけではなかなか想像のつかない不思議な世界に出会い、また、ほんの少し想像する力の幅が拡がったように感じた。



2003-12-07
いよいよ雪見露天風呂
先日より6日夜半から7日朝にかけて釧路地方は、ほぼ大雪との天気予報に、いよいよ!・・・と、うれしいような、でも吹雪くのはお客様にとって移動が大変だしな・・・など喜んでばかりはいられない思いを胸に朝を迎えた。目覚めるとすぐ、逸る思いをこらえ、そーっとカーテン越しに外を覗いた。眩しくてすぐに風景をとらえられなかったが、外は雪でいつもより明るかった。待ち遠しかった雪の風景は静かで草木も雪の柔らかな装いで枝先の細部に至るまで朝焼けの空によく映えている。お客様はすっかりと風景が変わってしまった光景に溜息ばかり。昨晩とは違う雪見になった露天風呂もゆっくりとお楽しみ下さった。天然温泉のぬくもりが身にもこころにも染み渡るこれからの季節、雪見の露天風呂はいっそう自然の持つ厳しさや優しさ、そして美しさを引き立てる。しばらく雪景色を眺めて、さあ、雪合戦をして体を温めてから雪かきをしよう!と張り切る宿主だった。


2003-12-01
宿の大きな木のイスで
宿も来月で1周年を迎える。ちょうど1年くらい前に一目惚れしたことのあった大きな木のイスとしばらくぶりに再会、まだどこにも行き先が決まっていなかったことがうれしく、改めて惚れ直し、それを宿の記念とご褒美にということで置くことにした。宿主はこのイスと出会った時から、宿のどこに置くかはもう決めていたとのこと。高さが2mくらいある大きな古木で作ってある大変重みと暖かみのあるイス。宿に初めてやってきたとは思えないほどの存在感と落ち着きを放っている。タイの奥深い森の中で育った巨木のイスに身体まるごとすっぽりと包まれて深呼吸してみた。森の童子や精霊と共に長い時を重ねてきたであろうそのイスに包まれていると、日常の生活の中ではなかなか目に見えないものや耳で聴こえないようなことを感じ取ることが出来るような大きな優しさの深みがあるように思えた。
