2004-01-17

月と雪と朝焼けと・・・

夜明け前、目がさめ、明らかに昨日とは違う気配。青い灯りがカーテンの隙間から差し込んでいた。そーっと覗いてみると、薄暗い青い上の寒空に月がぽっかりと浮かび、その月を追いかけるように遠くの空には朝焼けが、そしてなだらかな雪原が広がっていた。長い悪夢から覚めたような、遭難して流され無人の島に辿り着いたような、昨日とは全く違う静かな光景が広がっていた。あたり一面のいくつも連なるなだらかな雪の丘には何者の足跡や形跡もなくただただ真っ白。昨日までの風と嵐と闇の中に置いてきたもの全てが丸ごと、木々や植物たちと共に冷たい氷点下の世界に封印され、春までの深い眠りにつかされているような気がして、なんだかとても大きな優しさと強さを感じた。こころの中にも降り積もったような気がして、月を前に大きく深呼吸をした。月と雪と朝焼けと、なんて贅沢な朝なんだろう、といつまでも眺めていたい気分になった。


2004-01-15

すごい、すごい!ブリザード!

昨日からの大荒れの天気で弟子屈も隣接する市町村へと通じる全ての道路が通行止めで陸の孤島となった。今朝は宿が丸ごとすっぽりと雪の中にあった。宿主は早目にご予約頂いていたお客様に状況を説明し、昨日、今日と明日の宿泊をこちらから断わらせて頂いた。こういう自然の厳しい部分の現実は、言い訳する余地もなくすっかりそのままを受け止めるしかないことを思い知らされた。人間の頭で、手で、何でも操作できてしまうような錯覚と思い込み、便利さに埋もれたような中で生活していることを当たり前のことのように思ってしまっているような自分たちが、こういう全く抵抗することの出来ない自然の凄さの現実を目の当たりにすると、こころが震えた。そういう中での雪かきは、もう冷たくて、痛くて、寒くてどうしようもないのだけど、簡単なことばかりではなく大変なことがいつも背中合わせになっているという現実をありのままに受け止めて生きる練習をさせてもらってるような気もした。そんな中、小さい頃の今日みたいな台風のある日、エレクトーンの大きな椅子とオルガンの椅子を並べたその上をタオルケットで覆いかぶせて小さな部屋を作り、その中に弟、妹と3人で手を握り合って入り、うずくまっていた日のことがなぜか急に思い出された。怖いのだけどうれしいようなそんな気分だったような気がする。

温泉を引き上げるポンプが止まり、すっかり凍ってしまった露天風呂

1/16の夕方、やっとやっと除雪車が来た駐車場前。ありがたい。宿主は車一台分が通れるスペースの除雪。3時間かかった。

大窓部分の除雪をしているところ

鳥の餌台も何もかも雪の中。積雪2m20cmくらい。

停電でロウソク2本とランタンで灯りをとるホール


2004-01-09

雪見露天風呂から見上げる空

昨日の大雪でどこもかしこもすっぽりと雪に包まれた。お客様の足元の確保と湯加減の調節に露天風呂と厨房を何度も行き来する宿主。先日のお客様が作って下さったであろう、お地蔵さんのように並んでいた天然岩の上の小さな雪だるまたち、露天の周りに残っていたうさぎや鹿、キツネたちの足跡も全て姿形もなくなりすっかりと雪の中に埋もってしまった。外灯まで雪に埋もり、何だかまるでモンスターのような物体と化している。雪に囲まれた中から立ち上がるお湯の蒸気を浴び、天然温泉の暖かさがほくほくと身にもこころにも染み渡る季節に移り変わっていることをしみじみと感じた。お客様は雪見露天風呂から見上げる空に流れ星を見つけ、もう一度見たく見つけるまでついつい長湯してしまったとのこと。ふやけたカエルのようになりながら流れ星を待って何度かのぼせたことのある宿主は、そのことを聞いて自分のことのようにうれしがっていた。