2003-12-01
宿の大きな木のイスで
宿も来月で1周年を迎える。ちょうど1年くらい前に一目惚れしたことのあった大きな木のイスとしばらくぶりに再会、まだどこにも行き先が決まっていなかったことがうれしく、改めて惚れ直し、それを宿の記念とご褒美にということで置くことにした。宿主はこのイスと出会った時から、宿のどこに置くかはもう決めていたとのこと。高さが2mくらいある大きな古木で作ってある大変重みと暖かみのあるイス。宿に初めてやってきたとは思えないほどの存在感と落ち着きを放っている。タイの奥深い森の中で育った巨木のイスに身体まるごとすっぽりと包まれて深呼吸してみた。森の童子や精霊と共に長い時を重ねてきたであろうそのイスに包まれていると、日常の生活の中ではなかなか目に見えないものや耳で聴こえないようなことを感じ取ることが出来るような大きな優しさの深みがあるように思えた。

2003-11-19
サルルンカムイ(湿原の神)
食材の買出しに出かけた途中、今年も道沿いの越冬地に既に50羽くらいの丹頂がやってきていた。立っているだけのその立ち姿さえも絵になるような丹頂に惹きつけられ、思わず車を止めた。佇んでいるだけで華になるような、眺めているだけで香ってくるような雰囲気が漂う。天を仰いで鳴き合い、そして舞うことによって意志の疎通をはかっている様子。歩く姿はまるでバレエダンサーのよう。ひとつの舞台を観るかのようにしばらく見入ってしまった。その間新しく三羽の丹頂が加わった。人間(ひと)の作り出す芸術品も素晴らしいけど、神様の作られた自然の中の芸術のようなありのままのその姿は理屈抜きでこころが奪われてしまう。神様の作られた人間(ひと)も、色んなものを削ぎ落としてありのままの姿になれればもしかしたら丹頂たちに近づけるのかもしれない。戻る車に向かう小道、顎をひいて首を長くし、すーっと綺麗な姿勢で歩きたくなるような気分になった。


2003-11-06
そろそろ冬支度
宿の大窓から見渡せる木々の葉っぱがいっせいに落ち、樹がむき出しになった。雪が降るのを待っているかのようなこの時期、美留和の砂利道にも道路とそうでない部分の境目にポールが立てられ、いつ雪で道路も畑も当たり一面白く覆われても大丈夫なように冬支度が始まっている。日の入りが午後4時過ぎとなり、空が星屑で覆われるまでの長い夜のひとときを、小さな電球でささやかに彩ってみようとお宿かげやまの庭も冬支度。冬の寒空の下に灯る光は気持ちをほんわかさせてくれるような暖かみがある。

